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学校に行くことがそんなに大事?(保護者のきくたろうさんより)

2020/09/10

きくたろうです。

前回(初回)は、私たち一家が当市に引っ越して来、素晴らしい自然やフレップさんとの出会いなどにより、“新たな出発”をする事ができたことをお話させて頂きました。

今回は、復学の関係と、少しずつ過去の事ついてお話させて頂きたいと思います。

 

3月に引っ越して来てすぐ、規定により息子はひとまず地元の市立小学校に所属しました。

しかし、すでに適応障害になってしまっており、子供の集団が怖くなってしまっている息子にとって、一般の小学校はハードルが高く、一度も出席できませんでした。

一刻も早く不登校特例校に転校させてあげたいと思いましたが、たまたま起きたコロナ禍による休校期間が続き、やっと不登校特例校への適応指導教室に通い始めることができたのは7月になってしまいました。

その後、息子は適応指導教室へほぼ毎日通うことができるようになりました。今は、安心して過ごすことができ、そして馴染んできたことで、張り切っている状況です(ちょっと張り切りすぎが気になる、無理はしないでと思いますが)。

 

1学期の最後には、体験通級から正式通級への移行が告げられ、充実した気持ちで夏休みを迎えたようで、数日前、2学期が始まりましたが、はつらつとフルタイムで通っています。

思い切って引越しして来て本当に良かったと改めて思います。

 

安心して、親子が平和に一日一日を送れる。こんな日が来るなんて少し前までは想像できなかった、夢みたいだとしみじみ思います。

適応指導教室と言っても、目指す不登校特例校の建物の中にありますので、「通室」と言ってもほぼ「通学」と同じようなイメージを、息子は持っているようです。

息子は、転居前の地に住み続ける保育園時代からの親友と、オンラインを通してゲームをしているのですが、その合間に、その友達に対して「学校、行ってるよ」と伝えていました。

息子は“学校にはちゃんと行かなくちゃ行けない”との認識が強いようなので“ちゃんと行ってる”と安心する部分があるようです。

 

でも親としてはちょっと認識が違います。

「学校は命がけで行くところではない」と、今では思うのです。

そもそも息子は学校での一斉指導やイベントが苦手でしたが、不登校になった頃は、死の恐怖に付きまとわれ極度の不安に陥って夜も眠れず本当に辛そうでした。

そして、共働きの親としては、私が子供だった頃と違って、毎日必ず出される多量の宿題のフォローに加えて、毎日学校から届く多量のお便りへの対応に追われ、もともと大変でしたが、不登校になった頃は、息子の世話の為、仕事にも行けなくなった上、学校や諸機関との折衝等で疲れ果てました。

親子ともに学校に対して疲弊してしまい、家族全員、体調も崩してしまいました。

 

そんな学校に何が何でも通って行かなくてはならないという考え方はもう古いのではないかと思うのです。

息子は、学校に行けなくなって、適応障害にまでなってしましましたが、今でも、こうならずに済んだのではないかと、親として悔やんでいます。

 

後から知ったのですが、息子は、学校に行けなくなる2ヶ月くらい前から毎日教室で泣いていたのですが、その事を親にわからないようにしていたのです。

そして、複数の先生方は、息子が辛くて泣いて過ごしているのを知っていて「ずっと見守ってたんですよ」と後から言われたのです。

(「見守っていた」という言葉はソフトですが、言い換えれば「気付いていたが放置していた」という事ですね。)

強いストレスが続いているとわかった時点で、学校からは連絡がほしかったです。

以前は何かと連絡がこまめだったのに、この頃からぱったりと連絡が無くなったのでてっきり学校で順調に過ごしていると安心さえしていたのです。

担任や学校を信用していたのに、一番大事な場面で連絡がありませんでした。

給食をお替りする子なのにほとんど食べられなくなって半月の頃、「おなかが痛いから休みたい」と息子が訴え、微熱もあったので休ませました。

受診すると「流行っている胃腸の風邪でしょう」と医者に言われたからそうなのかと最初は思いました。

後から息子に聞いたら「本当はあの時は学校に行くのが辛かった」と聞きました。

 

今思うと、気にすべき状況や発言はこの他にも色々ありました。

食欲がなく食べ物を飲み込めない、夜になると吐き気が長時間続く。

冬休みになると「冬休み終わってほしくない」と頻繁に言う。今までそんなことは言わなかったのに。

「最近担任の先生の口が悪くなって怖いし、みんなもビビッてすごく先生に気を遣って無理にあわせてる。何かいやだ。」

「給食が食べられないのに、先生に全部食べろと怒られる」と夫や私に話していた、息子なりのぎりぎりの訴えはあったのです。

早い時点で気付いてあげられれば、避難させることができたのに。

共働きでなかなか学校の様子を見に行くことも簡単ではありませんが、何か変だと気付いて、教室の様子をこっそり見に行ったりできればよかったのに。と、今でも悔やんでしまいます。

 

その後、息子の胃腸の調子は良くならず、毎週受診を重ね、1ヵ月が経った時にいよいよ医師から「風邪による胃腸不良だったら1週間程度で治ります。

これは心因性の胃腸不良かと思われます。来週になっても直らない場合は大きい病院を紹介します。」と告げられました。

医師から息子に「学校は楽しい?」と聞かれた夜から、初めて、学校で毎日辛かったことを打ち明けてくれ、それを境に限界を超えてしまい、不登校になりました。

医師からは「適応障害」との診断でした。

極度の不安に陥り、水分かゼリー状のものしか喉を通らない完全な摂食障害になり、体重がどんどん減ってフラフラになって、入院を勧められましたが、息子は自宅以外は不安なので、自宅療養となりました。

 

では、学校で何があったのか、次回お話しして参りたいと思います。