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不登校になってから4年を経て(保護者の芽吹さんより)

2020/01/21

以前こちらでブログを書かせてただいていた芽吹家です。

 

小学4年生の2学期から学校に行かなくなった娘が中学2年生になった現在の我が家の近況を書いてみようと思います。

 

現在中学2年生の娘が小学4年の1学期の終わりに体調を崩したことから始まった学校に行かない日々。休み始めてしばらくはずっと調子が悪く、お出かけも難しくなったり、もともと小食だったのがさらに食べる量が減ったりということがありましたが、今考えると本人なりに小さな楽しみやできることを探して「ふつう」になろうと頑張っていたと思います。

 

そんな娘が中学2年生の1学期、急に学校に行ってみようと言い出し、制服を着て職員室で先生に挨拶だけして帰ることが数回ありました。

 

2学期になり、週に数回、毎朝先生に挨拶だけして帰ることから始まり、少しだけ教室に入ってみる、後ろから朝礼を見るなど、少しづつ自分で動き出しました。始めの頃は私が職員室まで一緒に行って一緒に帰ってきていましたが、最近は近くまで送ってあとは自分で帰ってくるようになりました。

 

私たちから学校に行くように促すようなことは一つもしていないはずです。

予兆かも?と思ったこととしては、春頃から「暇~!」という言葉が頻繁に出るようになってきていたことや、1人で出かけたりすることのなかった娘が急に1人で家の近場に出かけるようになったことなど、今までと何か変わったと感じてはいました。

 

本人がどんな理由で動き出したり学校に行き始めたかは本人じゃないとわからないし、本人も一言では言えない色々な気持ちがあると思うので、この4年間の私たち家族のことを考えてみると、とにかく娘に「生きていてもらうこと」、欲を言えば本人なりに生き生きと生きてもらうことを考えていたように思います。

 

学校に行けなくなってしばらくして、まだ小学生の娘が「死にたい」とか「生まれてこなければよかった」と言い始めました。「ふつう」に学校に行けない、「ふつう」にお出かけしたりできない自分をいつもいつも責めていました。でも「死にたい」という言葉からは「生きたい」が感じられて、生きていて良かったとまではいかなくても、生きていてみようかなと思ってもらいたい、そう思ったのです。

 

「死にたい」と言いつつも色々なことに興味を持つ娘がしたいことは何でもサポートしたり、お菓子が栄養源になっていたときも無理に「正しいもの」を食べさせて食べることが嫌いになるよりはいいと思いそのままにしたり。始めのころは「何かしたい!」と言った言葉に反応して長続きすることを期待してしまっていたのですが、次第にその時その時の気持ちを大切にしたいと思うようになってきました。

 

不登校とか引きこもりをネット検索すると、こんなすごいことをした、こんなすごい人になった、ということばかりで私が焦って、学校がしんどくて学校に行けなくなった娘に何かすることを求めてしまっていたんですね。

 

でも、本人が幸せって思っていたらそれが一番。

 

娘の場合はいつもアイドルがきっかけになっていました。

アイドルに会いたくて電車に乗ったり遠出をしたり、外で食事をしたり。できなくなっていたことができるようになったのです。

最近はおしゃれがしたくなったといって、かわいい服を選んだり、お化粧をしたり、外でご飯もたくさん食べられるようになったり、学校や勉強を軸に考えたら何の役にも立たないことかもしれないけれど、日に日に顔の表情も明かるく力強くなってくる娘を見ると愛おしくてしょうがないのです。「ふつう」なんてどうでもいい。

 

色んなことができるようになってきて行き始めた学校はやっぱり少し窮屈そうで、勉強もできないし、でもやらなきゃとも思うし、でもやりたくないし、でもできるようになりたいし、行き始めたら行かない罪悪感がどうしても出てきたり、行きたい、行きたくない、本人は日々心の中で葛藤しながらの学校生活です。

そんな時親としては本人が頑張りたいときに背中をそっと支えるくらいのサポートと、つらいことも楽しいこともそのまま話を聞くようにしています。

 

正直言って、以前は家の居心地が良すぎると余計に学校に行かなくなるのでは?なんて思うところもあったけれど、今は家が一番安心できる場所と思ってもらえたら嬉しいと思っています。それが外に出ていくための原動力になったらいいな。

 

今こんな風にいられるのは先生方のおかげもあると思います。

娘の場合は小学校のときから担任の先生がこまめに連絡をくださって、いつ来ても居場所があるということを示してくださっていました。中学に入ってからも担任の先生がたまにお手紙を持ってきてくれたり、学校の様子を伝えてくれたりしました。どちらも娘が直接会うわけがなく、娘は私から話を聞いたり気配を感じたりという具合です。

 

サポートの仕方はその子の状況によって多種多様なので、学校とのコンタクトがないほうがよい場合もあるかもしれません、我が家の場合は娘の様子を見ながら、スクールソーシャルワーカーさんの力も借りながら学校とのコンタクトをとり続けました。

 

急に娘が学校に行くと言い出したときに、先生とのやりとりを続けていたことで私自身が安心して送り出すことができたり、これまでの経緯や私たちが大切にしていることをお話ししてあったので安心して学校に行かない選択を見守れていると感じます。

 

今学校に行き始めたからといって、この先どうなるかはまったくわかりません。

中学3年生という切り替わりの時期なので色々悩むこと迷うこともあるかもしれません、でも何だか大丈夫な気がしています。学校や勉強、この先のことで不安や悩んでいることはたくさんあるけれど、それでも行きたい学校の他に自分の居場所があるのは強いと思います。

 

楽しい!嬉しい!会いたい!娘には今生きていたいことが沢山あるからきっと大丈夫です。